review

東京ゴッドファーザーズ

今敏脚本、監督と聞いて楽しみにしていて、劇場版を観れなかったのは残念と思っていた映画。
その期待は全く裏切られなかった。
近年の近未来理想都市の傾向を一新して、「東京」の物質社会と生命の「物質性回帰」が目に付く作品だった。
東京の宣伝看板や電光掲示板を完全にパロディに意図した風景の描写とか、無理のある関係性が全面に押し出されてたけど、キャラクターのめちゃくちゃな生命力と色んな布石が絡み合って独特のリアリティがあった。

東京を主題にした映画が、最近の未来志向と過去回帰に時代遅れのレッテルを貼られそうになってたけど、アニメがしっかり「東京」を再認識させてくれたのは嬉しい。

AKIRAにしてもエヴァンゲリオンにしても甲殻機動隊にしても、アニメがさきがけとなって時代が後から追いついてきたりする。
現代の問題意識をくそ真面目に主題として扱うのもアニメが多かったりする。

そういえば大友克洋も老人問題とか環境問題を主題にする事を得意としてる。あ、AKIRAか。
彼の絵はシュールで白くて好きだ。オンとオフがはっきりしたコマを描く。
そのせいで叩かれた事もあったらしいけど。

とにかくアニメが時代の先駆になることは事実になりつつあるし、日本人のキッチュな趣味がリアリティーを持つのもアニメしか今んとこ思いつかないし、今後アニメを無視できない状況がこないかなーとか密かに期待してる。


あーこんなこと言ってるからオタクとかいわれるのか。